むろくんこそが、素敵でワガママ

むろくんこそが、素敵でワガママ

「読む」以外のことは何も考えないでください。

Birthday/Mr.Children 歌詞解釈勝手に

 

 今回はミスチル『Birthday』の歌詞解釈に着手したいと思います。

 

 ご存じ、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の主題歌となっている今回の楽曲。テレビアニメ40周年記念映画に、ミスチルを起用するあたりに本気度合いを感じますね。ただ今回は残念ながらコロナウイルスの影響で映画の上映が先送りされてしまいました。残念でございます。

 

 

 この記事の歌詞解釈は、俺の個人的な解釈であり、正解も不正解もありませんので、それをご了承できる方のみ閲覧していただけるとありがたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体として

 

 

 

 

 

 

しばらくして気付いたんだ 本物だって

熱くなって 冷やかして とっちらかして

シャボン玉が食らったように はじけて消えんじゃない?

そう思って加速度を緩めてきた

 

君にだって2つのちっちゃい牙があって

1つは過去 1つは未来に 噛みつきゃいい

歴史なんかを学ぶより 解き明かさなくちゃな

逃げも隠れも出来ぬ今を

 

It's my birthday

消えない小さな炎を

ひとつひとつ増やしながら

心の火をそっと震わせて

何度だって 繰り返すよ

そう いつだって It's my birthday

 

「否定しか出来ないなんて子供だしね」って

期待された答えを吐き散らかして

無意識が悟った通り 僕は僕でしかない

いくつになっても変われなくて

 

It's my birthday

飲み込んだ幾つもの怒りを

ひとつひとつ吹き消しながら

風に乗って希望へひとっ飛び

やがて素敵な思い出に変わるよ

そう いつだって It's my birthday

 

It's your birthday

毎日が誰かのbirthday

ひとりひとり その命を

讃えながら今日を祝いたい

そして君と 一緒に歌おう

いつだって そう

It's my birthday

消えない小さな炎を

ひとつひとつ増やしながら

心の火をそっと震わせて

何度だって 僕を繰り返すよ

そう いつだって It's my birthday

そう いつだって It's your birthday

 

 

 

 

 

 

 タイトルの通り「birthday=誕生日」がテーマとなっている今回の楽曲。実は今回のドラえもんの映画は、「恐竜の絶滅」が結構関連しているっぽくて、「誕生」と「絶滅」のコントラストになっているのかなとまず最初に考えました(映画を見たわけでもなく、予告の映像を見た限りで考えたことですが)。

 

 歌詞の中にも、誰しも年の数だけ経験してきた「誕生日」に関連するワードが散見されていて面白いです。一つ一つ読み解いていきましょうや。

 

 

 

 

 

 

 

 

1番Aメロ①(それまでの「僕」の生き方)

 

 

 

 

しばらくして気付いたんだ 本物だって

熱くなって 冷やかして とっちらかって

シャボン玉が食らったように はじけて消えんじゃない?

そう思って加速度を緩めてきた

 

 

 

 

 

 

 はい。この歌詞の1番のAメロは、サビに入るまでの布石となっています。この歌の主人公の今までの生き方や考え方を歌っていると感じました。

 

 

 「しばらくして気付いたんだ 本物だって」

 いきなりなんだか難しい感じです。「しばらくして」というのは、「大人になってから」というニュアンスを感じました。人間は年の数だけ誕生日を迎えますが、自分の生き方とか他人の生き方について考えるようになるのって、20年くらい経ってからですよね。俺も、現在21歳ですが、本当に人生について色々と考えます。

 

 21回目の誕生日でようやく考えて、気付くようになった(俺の場合)という意味で、「しばらくして」というワードをチョイスしています。

 

 

 

 「本物だって」

 これが本当の自分なんだ、ってことでしょうか。「本物」というチョイスがミスチルっぽくていいですね。なんというか、生々しさが出ています。

 

 

 

 

 「熱くなって 冷やかして とっちらかって」

 それまでの人生の葛藤を描いているのでしょうか。「熱くなって」には、無我夢中、怒り、喜びのニュアンスが、「冷やかして」には、悲しみ、困惑のニュアンスが含まれていそうです。そう言った色々な感情が「とっちらかって」いたのでしょう。

 

 

 「シャボン玉が食らったように はじけて消えんじゃない?」

 ミスチルらしさ満載の歌詞。

 そう言った色々な感情の一つ一つを、宙を舞うシャボン玉に喩えていると考えました。シャボン玉がとっちらかると、シャボン玉同士がぶつかり合って、消えてしまいます。

 「消えんじゃない?」というのは、「この先、もしかしたら消えるかもしれない」と未来の事を表現しているのでしょう。

 

 

 「そう思って加速度を緩めてきた」

 この先、もしかしたら消えるかもしれないから、少し落ち着いて物事を考えてみようよ。そういうニュアンスを感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1番Aメロ②(「過去」や「未来」よりも大切なもの)

 

 

 

 

君にだって2つのちっちゃい牙があって

1つは過去 1つは未来に 噛みつきゃいい

歴史なんかを学ぶより解き明かさなくちゃな

逃げも隠れも出来ぬ今を

 

 

 

 

 

 

 最初は「自分」のことを歌い、次に「君」のことを歌います。

 曲の終盤の「It's my birthday」と「It's your birthday」にも同じような手法がとられていますね。

 

 

 「2つのちっちゃい牙があって 1つは過去 1つは未来に 噛みつきゃいい」

 最初にシャボン玉が消える未来を想像した主人公。ですが、「加速度を緩めて」少し冷静になると、未来を想像することよりも大事なことがあると気付きます。

 

 「僕」にも「君」にも、小さいながらに過去や未来に噛みつくことができる牙があり、不満や不安があったらいつでも噛みつけるじゃないか、というニュアンスで、「未来」や「過去」よりも大事なものがあると歌っています。

 

 では、その大事なものとはなんでしょうか。答えは次の歌詞にあります。

 

 

 

 「歴史なんかを学ぶより解き明かさなくちゃな 逃げも隠れも出来ぬ今を」

 「消えんじゃない?」と「未来」のことを考えたり、「歴史なんかを学ん」で「過去」のことを考えたりするよりも、「逃げも隠れも出来ぬ今を解き明かさなくちゃな」と、「今」の大切さをここで歌い、サビに入ります。

 

 いよいよ、「birthday」の登場です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1番サビ(誕生日ケーキのロウソクの火になぞらえて…)

 

 

 

It's my birthday

消えない小さな炎を

ひとつひとつ増やしながら

心の火をそっと震わせて

何度だって 僕を繰り返すよ

そう いつだって It's my birthday

 

 

 

 

 来ました。

 

 

 「消えない小さな炎を ひとつひとつ増やしながら 心の火をそっと震わせて」

 この歌詞を見て、気付いた方もいるのではないでしょうか。「消えない小さな炎」というのは、自分の中にある意志や信念やプライドのようなものを歌っているのだと思うのですが、俺は「誕生ケーキのロウソクの火」になぞらえているんじゃないかと考えました。

 

 誕生日にケーキにロウソクを立てて火を付けて、電気を消して息を吹いて火を消す。そんな経験、たぶん誰しも一度はあるはずです。

 

 

 「小さな炎を ひとつひとつ増やしながら」というのは、毎年毎年、年を取ってケーキに刺さるロウソクの数が増えていくことをまず表しています。しかし、「消えない」という形容詞があるように、年々増えていく自分の中の信念や考え方は、決して消えることがないとも歌っています。

 

 「心の火をそっと震わせて」

 年を取るごとに増えていくロウソクの火。それらが一つになって、心の火となり、その火を震わせて自分らしく生きていこう!という歌詞ですかね。

 

 

 

 

「何度だって 僕を繰り返すよ」

 良い歌詞ですね。誕生日は毎年やってきて、そのたびロウソクの数は増えて、火も大きく(あるいは多く)なっていきます。しかし、何年経とうが僕は僕のまま。

 去年よりも一本増えたロウソクの火、来年はもう一本増えるかもしれない。でもそんなことはどうでもよくて、何年経とうが自分が信じた今の自分を繰り返していきたいと、そんなポジティブな歌詞になっています。

 

 

「そう いつだって It's my birthday」

 その瞬間、「今」というその瞬間瞬間、そのたびごとに新しい自分が生まれているんだ、ということを歌っていると考えました。これは年に一度の誕生日になぞらえた歌詞ですが、自分自身は「今」という一瞬で変わり続けているんだという意味で、「いつだって」と歌っているのでしょう。そういう意味でも、「過去」や「未来」なんてどうでもいいんでしょうかね。

 

 ちなみに、「いつだって」と「It's my birthday」で韻を踏んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2番Aメロ(僕は僕でしかない)

 

 

 

「否定しか出来ないなんて子供だしね」って

期待された答えを吐き散らかして

無意識が悟った通り 僕は僕でしかない

いくつになっても 変われなくて

 

 

 

 

 「「否定しか出来ないなんて子供だしね」って」

 他人や世の中のことを否定することは、好ましくないことだとされています。「自分はそうは思わない」とか、「何がいいのか分からない」とか、そんな風に思うことが誰しもあるでしょう。俺もあります。めちゃくちゃあります。

 

 否定ばかりしていると、「子供」扱いされたりすることもありますね。要は、「否定することを否定する」みたいなことですよね、これって。

 

 

 

 「期待された答えを吐き散らかして」

 子供扱いされるのが嫌だから、周りが期待しているようなことばかりを口にすることもあるでしょう。顔色を窺ったり、嫌われたくないから保守的になったり。

 

 

 

 「無意識が悟った通り 僕は僕でしかかない」

 でも、やっぱりそれはおかしくて、結局「僕は僕でしかない」と歌っています。1番のサビの「何度だって 僕を繰り返すよ」という歌詞に共鳴していますね。

 「無意識が悟った通り」というワードチョイスは天才が成せる業。たぶん「本能的に」「生理的に」みたいなニュアンスなんじゃないでしょうか。「考えるまでもなく、僕は僕でしかない」ってことでしょう。

 

 

 「いくつになっても変われなくて」

 これも誕生日になぞらえた歌詞ですね。何歳になっても、僕は僕のままだという意味でしょう。「何度だって僕を繰り返すよ」と同じ意味と言っていいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

2番サビ(ポジティブに)

 

 

 

It's my birthday

飲み込んだ幾つもの怒りを

ひとつひとつ吹き消しながら

風に乗って希望へひとっ飛び

やがて素敵な思い出に変わるよ

そう いつだって It's my birthday

 

 

 

 

 「飲み込んだ幾つもの怒りを ひとつひとつ吹き消しながら」

 こちらも、ロウソクの火に喩えています。1番では、「消えない炎」を歌っていましたが、2番では「吹き消しながら」と歌っています。「期待された答え」ばかりを吐き散らして溜まった鬱憤、ストレス、怒り…そんなものは歯牙にもかけずに吹き消してやろう!という歌詞です。

 

 

 「風に乗って希望へひとっ飛び やがて素敵な思い出に変わるよ」

 吹き消して、そのままの風に乗ってポジティブに生きてやろうという意味でしょうか。今は耐えがたい怒りだけれど、時が経てばそれも「素敵な思い出」に変わると思うよ、と歌っています。俺だったら「思い出に変わんじゃない?」って歌ってしまいそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大サビ(毎日が誰かのbirthday)

 

 

 

 

It's your birthday

毎日が誰かのbirthday

ひとりひとり その命を

讃えながら今日を祝いたい

そして君と 一緒に歌おう

いつだって そう

It's my birthday

消えない小さな炎を

ひとつひとつ増やしながら

心の火をそっと震わせて

何度だって 僕を繰り返すよ

そう いつだって It's my birthday

そう いつだって It's your birthday

 

 

 

 

 

 最後です。

 

 「It's your birthday」

 これまで「自分自身」のことを歌ってきましたが、ここで自分以外の全員のことを歌い始めます。

 

 「毎日が誰かのbirthday」

 毎日、世界中の誰かしらが誕生日を迎えていますね。この歌詞はそういう意味もあります。が、ここまで歌ってきたように、「誰しも「今」という一瞬一瞬のうちに生まれ変わりながら、自分という唯一無二の存在を繰り返して生きている」という意味も含まれていると考えます。

 

 

 「ひとりひとり その命を 讃えながら今日を祝いたい」

 ここは、ドラえもんの映画にもなぞらえているのかなと感じました。のび太が拾った恐竜は翼がなくて絶滅から逃れられない…みたいなストーリーらしく…。でも生まれてきたその命を讃えて生かしてあげたい!と言う…そんな意味?映画のタイアップ曲なので、映画を見るともっと深く意味がくみ取れそうですね。

 

 

 「そして君と一緒に歌おう」

 生きる喜び、自分自身、それらを共に噛みしめようとする歌詞です。

 

 

 

 そうしてまた、サビを歌っていきます……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に

 

 

 いかかでしたでしょうか。

 一瞬一瞬のうちに生まれ変わる自分自身という唯一無二の存在。それに誇りを持って、共に生きていこうというメッセージを、誕生日や誕生ケーキのロウソクに喩えて歌っている名曲でした。

 

 

 

 ミスチルは年を取ってもセンスが枯れないのがすごいですね。

 

 

 

 

 

 

 ということで、Mr.Childrenで、『Birthday』でした。