『コンビニ人間』 電子書籍レビュー③
3冊目は『コンビニ人間』です。
作者は村田沙耶香さん、40歳。
少し調べたのですが、この人変わってますね。この『コンビニ人間』は第155回芥川賞を受賞しているのですが、この人、受賞するまではコンビニでバイトをしながら執筆活動をしており、アルバイトがある日に執筆をしていたそうです。逆に言うと、アルバイトがない日は執筆もしないということですね。
普通逆だろってまず誰もが思いますよね。そんなコンビニアルバイターの村田さんの『コンビニ人間』ですが、正直まともなレビューを書けそうにありません。
実はついさっき読み終えて、直後にパソコンを開いてこの記事を書いているのですが、何をどう書けばいいのか分からない状態です。
こんな本は初めて読みました。21年間そんなに本に触れてこなかったので単なる経験不足もあると思いますが、それにしても、なんというか不思議な小説でしたね。
簡単にあらすじを書きます。
36歳まで18年間コンビニアルバイトを続けるコンビニ人間、古倉恵子が主人公です。彼女はすごく分かりやすく言ってしまうと社会不適合者のような感じで、子供の頃から社会の常識に馴染めませんでした。自分が何が間違っているのか分からない…といった感じで成長していき、コンビニでマニュアル通りにアルバイトをしているときだけは、「正常な人間」「世界の部品」になったと安心するようになります。
彼女はある日、婚活目的の白羽というろくでもない男と出会って……
みたいな感じ。何を言っているか分からないと思います。
恵子はとにかく社会不適合者です。サイコパス的な一面もあるかな。
だから彼女は、「普通」でいるために、「みんなが不思議がる部分を、自分の人生から消去していく」んです。
コンビニはシンプルで合理的で無機質。毎日商品は変わるし、働いているアルバイトだってそそくさと変わっていくけど、何も「変わらない」。
そんな箱の中で、マニュアル通りに生きることが主人公の生き方。家にいるときも、常にコンビニの音(声)が聞こえていて、終始コンビニの事ばかり考えています。
他の誰かと話をすると、何かと心配されます。「結婚は?」「その年でアルバイト?」
だけど、コンビニの店長や他のアルバイトの人間は、皆等しく「コンビニ店員」であることに、主人公は安心を覚えます。
白羽という男もいわゆる社会不適合者。
現代は縄文時代から変わっていない。狩りが上手で強い男と子孫を残す女。それができないはみ出しモノはムラからはじき出される。などと嘆きます。
要は、「普通」じゃない人間は弾かれるってことですかね。
かといって、主人公と意気投合するわけでもありません。
この白羽という男と出会ったことで、主人公の置かれている環境が徐々に変わっていきます。
そして遂には…
「普通」って何?って考えることがあると思います。この作品も、そんなことがテーマになっているような気がします。
ただ正直、レビューを書けるほどこの作品を読めた気がしません。俺にはまだ早かったのかも…。
250頁くらいの短い作品なんですけどね…。
おすすめ度は、あえての5.0。誰か読んでみてくれ。