むろくんこそが、素敵でワガママ

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「読む」以外のことは何も考えないでください。

一番大事なテスト期間で上手くいかない逆主人公補正がかかっているとしか考えられない

 

 はい、終わった。

 

 

 

 

 

 テスト期間が終わった。大学3年生後期のテスト期間が。

 

 

 

 今回の記事は、今期の授業を振り返る記事となっている。恐らく殆どが、「愚痴」になる。「ぐちぐち言ってんじゃねーよ!」が口癖の人に怒られそうな内容となっているわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が今期受けた授業は10コマ。単位数にして20単位分である。授業数はそこまで多くはない。当然、万に一つ、どれも落とすわけにはいかなかった。落としてしまえば、4年に受講しなければいけない授業が増え、詰む。

 

 

 だから俺は、今まで以上に本気で挑んだ。

 

 

 

 

 正直今までは、授業をサボることが多かった。授業開始15分前に起床した時点で行くのを諦めたり、空きコマに家に帰ったっきりその後の授業に行かなかったり、授業が始まる直前に教室から出て家に帰ったりと、病的に大学を避けていた。だが今期はそうも言ってられない。俺は出来る限り授業に参加した。

 

 

 その甲斐あってか、今期は大学1年の第1周目以来実に2年ぶりに「一週間全部の授業に出席する」という偉業を、3,4回達成することができた。これはすごいことである。ひとしお、と言おうか。自分にも自信が付く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、世の中は基本クソだ。瞬く間にクソだ。瞬いたときにはもうクソだ。

 

 

 

 

 

 今期に限って、異様にテストの難易度が高かった。高かったと言うより、高いことが予想された。

 履修した授業のテストやレポートの難易度は担当教員に依存するので、100パー運ゲーだ。大学の授業一つ一つに真面目に取り組んでいる人間などこの世にはただの一人存在しないため、いかにこの運ゲーを乗り切れるかが大学卒業の鍵となるわけだ。

 無論、「トモダチ」がいれば運ゲー回避の確率はグッとあがるが、当然俺は「トモダチナルヤツ」がゼロの概念なので、一人の力、己一人の運だけで授業を決める必要があった。

 

 

 今回は、「運」がなかったと言わざるを得ない。

 10コマ中、実に4コマは、正直授業を受けている段階で単位を取れる気がしていなかった。実際にテストを受けてどうだった、というよりも、授業を受けている段階、所謂テスト受験の前段階で、詰みを半ば確信している部分があった。

 

 

 

 一つ一つ振り返ろう。

 

 

 

 テストが始まったのは火曜日からだ。

 火曜2限。記念すべき最初のテスト。大事な初戦だ。ここを皮切りにテスト期間が幕を開けるため、ここのテストをいかに乗り切れるかで、その後のモチベーションが変わってくる。

 

 

 

 

 結果、惨敗。

 あまりに惨めだ。

 

 

 敗因は、「山を外した」こと。火曜2限の授業は、テストに備えて覚えなきゃいけないことがとにかく多い。この授業の教員の授業は何回か履修したことがあるので傾向は掴んでいたつもりだったのだが、山を外しまくった。運に見放されたのだ。

 

 結果はまだ分からないが、恐らくギリギリ落単だろう。

 ちなみにこの授業が、プロコンをぶっ壊すきっかけとなった授業だ。

 

 

 

 

 

 次に、水曜4限。

 実は火曜2限と同じ教員のテストなのだが、ここはなんとか山を当て、ある程度出来た。恐らく単位は取れていると言って間違いないだろう。同じ教員のテストでこうも出来不出来に差があるあたり、運ゲー感が露呈しているのは君が神でも否めない。

 

 

 

 

 次は火曜1限。

 ここは余裕だった。満点に近い点数を取れているかもしれない。もともと、授業を受けている段階で余裕だとは考えていたため、前日に勉強しただけだが完全に単位をつかみ取ることが出来た。勿論結果は出ていないが、これでもしこの授業の単位を落としていたら、たぶん俺は自ら死ぬ。

 

 

 

 

 

 

 続くは水曜2限。

 俺はここで一度死ぬ。

 

 

 いわゆる、クソ問にしてやられた。

 詳しい授業内容は伏せるが、文化人類学系の授業で、元々授業内容自体クソだと思っていたのだが、それでも単位獲得のために俺は必死で人類学者の思想なり解釈なりを頭に叩き込んだ。

 

 

 だが、蓋を開けてみれば、テスト問題の半分以上が「学者の名前を問う問題」だった。これには俺は憤慨した。こんなことが許されるのだろうか?結局この問題の正体というのは、教員の怠惰だ。教員がテスト作成及び採点を楽に片付けたいがために生まれた悲劇なわけだ。

 

 正直に言う。俺はこのテストを受けているとき、泣きそうだった。

 そして、家に帰ってからちょっとだけ泣いた。目頭の部分が熱くなって、涙を流すときに喉がククッとせり上がるような独特な感覚が身体全体を覆った。

 

 プロコンをぶっ壊すきっかけとなったテストの時は、自分でも困惑するほどの怒りに身もだえたが、今回は怒りではなく、ただひたすらに悲しくて虚しかった。相反する双子の感情に身も心もボロボロになった俺は、来たる木曜最難関のテストを迎えることになる。

 

 

 

 

 

 木曜4,5限のテストは、過去最難関レベル。特に4限。勿論前日に勉強をしっかりした。更に、4,5限ということもあり、当日に勉強する時間もあったから、万策を携えて挑むことが出来る。

 

 

 

 だがその前に、木曜2限、研究発表の準備をしなければいけなかった。4,5限のテストに不安を覚えながらも2限に出席した俺に、思わぬ光明が施しを与える。

 

 実は木曜2限の班員の中に、同じ授業を受けている人間が2,3人いた。全員女の子だ。そもそも班員が俺ともう一人以外全員女の子だ。

 いわば発表準備を共に果たした戦友として少し談笑に耽っていた俺は、ここで女子2,3名から思わぬ施しを受けることになった。この女子達は、俺の知り得ない4限のテストの情報を持っており、それを俺にご教授してくださったのだ。

 

 

 世界は広いと悟った。おなごは尊いと噛みしめた。ここまで絶望続きだった俺に降り注いだ光明。その光明の源に佇む3柱の女神。俺の世界を作った女神達への懸命な謝辞と奉仕を終えた俺は、木曜4,5限のテストをなんとか乗り切って見せた。

 結果こそ不明だが、思っていたよりは戦うことが出来たのだ。

 あと、女神と共にした木曜2限の発表も難なく終えた。

 

 

 

 

 余談だが、水曜3限と水曜5限はレポートとプログラミング課題で単位が決まる授業だ。3限の方は問題ないが、5限のプログラミングの方はぶっちゃけ落単全然ありあり。だってプログラミング難しいんだもん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後の砦、月曜3限。

 分野的には比較的得意な分野ではあるのだが、テスト自体は簡単には越えられないと踏んでいた。

 俺は土日を使って必死に勉学に励み、月曜3限のテストに備える。

 

 

 

 ふと、一抹の不安が過ぎった。2月9日日曜日の夕方頃だったか。

 「テストの会場ってどこだろう?」。

 

 例年、テスト期間になるとテストの試験会場(教室)と日付が記載されたリストがウェブに掲載されていたのだが、なぜか今期は掲載されず、会場と日付が事前に確認できずにいた。まあ、普通に授業に出ていれば分かることなのだが。

 

 

 実は、2月10日のテストの前の週、2月3日の授業に俺は出席していなかった。というのも、大学には行ったのだが、いつも授業をやる教室に誰もいなかったからだ。その前の授業にはしっかり出席したが、教室変更になるなんて報せはなかったし、メッセージも来ていない…休講になったんだろうか。

 

 俺は、その日は家に帰った。

 テスト直前の授業に出席できなかったことは心苦しいが、テスト問題の形式は事前に聞いていたので、それまでの内容を復習すれば問題なく単位が取れるだろうと踏んでいた。

 俺は、2月10日に行われるテストの会場を、担当教員にメールで尋ねた。

 

 

 

 その日の夜8時くらいに、教員からの返信が届いた。さて、試験会場は…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は目を疑った。

 目を疑う俺を、目が疑っていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「試験は2月3日に実施し、無事に終了しました」

 

 

 

 

 

 

 この一文だけが、俺の網膜、脳裏、ハート、あらゆるモノに意気揚々と突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 無事に…終了…だと…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テストは一週間前に既に行われていた。

 俺が誰もいない教室を目の当たりにし帰宅したあの日あの瞬間に、どこかの教室でテストが行われていたというのだ。

 

 

 

 

 

 

 なぜだ?

 2月3日にテスト?俺はこの前の週の授業はしっかり出席しているし、その時は「来週はテストだよ」などとは聞かなかった。

 それに、毎週授業中に出される課題がその日も出された。つまり、2月3日は普通に授業が行われ、普通に課題の解説がなされるはずだと誰もが思うはずだ。

 学年歴を見ても、授業は2月10日まであることはしっかり見て取れたはずだ。

 

 

 

 

 

 俺に落ち度はない。

 

 

 

 

 だが、「無事に終了」という文言が、まるで俺に落ち度があるかのように煽りを効かせている気がしてならなかった。美しい白鳥のような日本語が、泥沼にはまった俺の汚らしい膝小僧につばを吐きかけているように思えてならなかった。

  抗議の余地すら与えられている気がしなかった。

 

 

 怒り、悲しみなど、テスト期間を通じてあらゆる感情に身を引き裂かれた俺は、このメールの文言を見た時、ほのかに笑って見せた。

 

 

 

 ここまで来ると、人は笑うのだ。Dの意志を継いでいるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 大学3年後期最後のテストを、受験すらすることなく、俺は落単を決め込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうして、この大事な時期に、俺はツイていないんだろうか。

 落ち度はなかったはずなのに。手を抜いたわけでもない。やれることは全てやった。

 だが、どうしたって上手くいかない。

 

 肝心なときに、上手くいかない。

 

 

 

 

 

 逆主人公補正がかかっているとしか考えられない今日の良き日、俺は成績開示日を震えて待つことになる。