むろくんこそが、素敵でワガママ

むろくんこそが、素敵でワガママ

「読む」以外のことは何も考えないでください。

2019年のM-1グランプリを、大してお笑いに精通しているわけでもない男子大学生がありったけの自尊心を込めて評価する

 

 

 12月22日日曜日、M-1グランプリ2019があった。ご存じ、その年の漫才日本一を決める本大会、令和初のM-1とのことで、注目度も高かっただろう。

 

 俺は、別にお笑いにメチャクチャ詳しいわけでもないが、M-1は2007年から毎年欠かさずに見ている。クリスマス直前、冬の寒さが本格的になって来た頃に毎年行われるこの大会は、なんだかんだいつも俺を笑わしてくれる。

 勿論、その年によって空気が違ったりもするが、近年は特にレベルが上がったように思える。

 

 

 特に今年もレベルは高かったと思う。毎年そう言っているんだが、それはつまり、年々レベルが上がっているということの証拠に他ならないだろう。

 

 

 

 

 

 芸人というのは常に評価され続ける。順位を決める大会、それも暮れの日曜日の7時から全国ネットで放送される大会に出た芸人の宿命と言えるだろう。それは同じ芸人仲間からも見られることになるし、テレビ局の人間や企業の人間にも見られることになるし、当然、我々のような一般視聴者からも見られることになる。

 

 

 

 つまり、M-1に出た芸人は、どんな奴からどんな評価が来てもおかしくはない、と覚悟の上で漫才をしているはずだ。

 

 だから、俺が偉そうに芸人を評価することに何ら問題はない。俺は大手を振ってこのブログを通して己の意見を発信する事に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、初手はニューヨーク。

 なんでか知らないが、俺はニューヨークというコンビはつまらないというイメージがあった。別に彼らに特別な印象はないのだが、なぜかそういう先入観があった。

 

 というか、見た目があまり好きではない。これは、顔がどうこうという話ではなく、コンビで並んだときの絵面という意味だ。

 

 

 

 ネタは、所謂歌ネタ。ボケがクセの強いラブソングを歌って、ツッコミが要所要所に入っていくという超王道パターン。

 個人的に歌ネタはそこまで好きじゃないが、M-1だから、安心して見られた。

 

 

 

 

 結論から言うと、あんまり面白くなかった。俺の先入観はある意味正しかった。

 一回も笑わなかったんじゃないだろうか。客席はたまに湧いていたが、正直見ていられない部分もあった。

 

 

 点数も、トップバッターであるということを除いても少しからめ。まあ妥当かなとは思った。まだ準決勝の奴らの方が面白いヤツ多かったかなという印象が正直なところだ。

 

 

 

 審査員の松本人志が、「ヘラヘラしているツッコミが好きじゃない」と言っていたが、分からないでもない。ツッコミが仕事をしている感じがあんまりなかった。

 

 この松本の評価にふて腐れる渾身のボケも、やりすぎであんまり振るわなかったように思う。

 いいとこなし、だったかな。

 

 

 

 まあ、トップバッターは正直優勝は無理だと思う。中川家がトップバッターで優勝した例はあるが、あれは初代だし、そもそも中川家意外のコンビが放送事故級にスベりまくったという事実もある。

 今のM-1でトップで優勝するのはまず無理だ。3,4年前のメイプル超合金は、トップバッターで爪痕を残した希有な例といえるだろう。今もなお活躍している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2組目は、かまいたち。いきなり優勝候補の登場です。

 去年は確か惜しくも4位で決勝ラウンドには進めなかった気がする。一昨年だったかな?

 

 いずれにしても期待は大。

 

 

 

 一本目のネタは、かまいたちワールド全開の感じ。言い間違えを他人になすりつけるというサイコパスな導入からはじまり、終始サイコパスな感じで終わっていった。

 漫才の腕としては、今年は一番だったように思う。点数も振るい、決勝ラウンドに進出。

 

 二本目は、「トトロ見たことない」を自慢するというネタ。これもまたかまいたち感強めの訳の分からないネタだったが、十分すぎる程ウケていた。

 

 決勝ラウンドの結果は、松本人志の一票だけということになり、M-1ラストイヤーは惜しくも2位に終わった。

 

 

 

 かまいたちは、ボケの堂々とした態度が持ち味だと思う。ツッコミはあくまでボケをリスペクトしている感じがして、その距離感が絶妙。

 お互い声も特徴的だ。漫才において「声」は重要な要素だと考える俺にとって、特徴のある声というのはそれだけで評価が上がってしまう。何を言っても面白く聞こえてしまうのはすごい事だと思う。

 

 かまいたちが優勝しても、何ら不自然ではないほど、今年のかまいたちは良かったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3組目は、いきなりの敗者復活枠で、和牛。

 3年連続2位で涙を呑んできた彼らの、4度目の挑戦。恐らく、オッズは一番高かったと思う。何せ敗者復活は視聴者投票になるため、国民の皆様が優勝して欲しいと思うコンビが選ばれるのは必然だ。その意味で、和牛は国民の本命といえる。

 

 俺も個人的に和牛は結構好きだ。というか、川西が好き。川西の声が好き。また声の話で申し訳ないが、あの声質とボリュームの妙は大したもんだと思う。間の取り方も絶妙だ。

 

 

 ネタは、不動産ネタ。ベタといえばベタだ。最初はショートコントのような展開から、後半になって畳みかける感じが和牛らしかった。

 

 だが、結果は振るわず。一時は2位までいったが、結果的に4位で決勝ラウンド進出は敵わなかった。

 

 

 

 和牛は毎年違った形の漫才を見せてくれる。なんというか、俺の好きなミュージシャンにも似たような特徴があるため、毎年楽しみにしている。

 俺の好きなミュージシャンも、しょっちゅう歌い方や声が変わるような人が多い。それを嫌がる人もいるが、俺にとっては大好物。これは若いミュージシャンには無い要素でもある。

 

 その意味で、和牛は貫禄があるし、華もある。だが、今回はそれが裏目に出たようだ。

 審査員長の上沼恵美子が、なぜか大激怒。それも、和牛では無い別のコンビのネタが終わった後に、和牛を引き合いに出して貶すという念の入れようだ。

 これでは更年期障害と言われても文句は言えないだろ…と思うほどの放送事故ではあったが、彼女が言っていた「大御所ぶってる」「フレッシュさがない」みたいな指摘は言い得て妙かもしれない。

 

 

 M-1は、誰が優勝するか最後まで分からないから面白いのだ。その意味で、「優勝候補」である時点で彼らは最初から優勝など出来なかったのかも知れない。

 

 

 個人的には、2016年か2017年は和牛の優勝で良かったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 4組目は、すゑひろがりず

 今年のおふざけ枠…かと思いきや、そうでもない。

 

 和服に身に纏い、能や狂言や歌舞伎のような言葉遣いで漫才を繰り広げる。

 

 

 

 飲み会でのコールや、王様ゲームなど、若者が好きそうなことを伝統芸能っぽく仕上げたようなネタは、「昔」と「現代」のいいとこ取りといったところ。

 若者を意識している感が透けて見えるが、不覚にも笑ってしまった。中高生はたぶん、ああいうネタは大好きだと思う。

 

 

 今回は決勝ラウンドに進むことはできなかったが、爪痕は残して見せた。今後に期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5組目は、からし蓮根。

 確か去年か一昨年の敗者復活で初めて漫才を見たときに、なかなか面白い奴らだなと思ったのを覚えている。

 ボケがあまりにも目に優しくないのと、ツッコミの方言がクセになって覚えていたのだろう。

 

 

 初の決勝の舞台で見せたのは、教習所ネタ。

 全体的に中笑いを量産しつつ、最後に教官を轢いてバック運転が覚醒するシーンで大笑いをかっさらっていった。

 

 

 

 個人的には、ツッコミが好き。方言が心地良いというのと、やはり声がいい。漫才はボケよりもツッコミが大事だと思っている俺にとって、ツッコミが有能だと面白く感じてしまう。

 ツッコミをやるために生まれてきたような声をしていると思う。審査員も言っていたが、本当に今後が楽しみなコンビではある。

 

 

 今大会では、決勝ラウンドに進むことは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 6組目は見取り図。

 去年は確かトップバッターで出てきたコンビ。あんまり印象に残っていなかったので、初めて見る気持ちで見た。

 

 

 個人的にはあんまり好きでは無い。ツッコミで笑いを取るタイプのコンビなのだが、ツッコミが聞き取りづらいのと、単純にツッコミのボキャブラリーが好みじゃない。

 ドカンと一発ウケるという場面もなかったようだし、M-1で優勝できるようなタイプでは無さそう。

 

 ただ、劇場人気はすごいらしく、ファンも多いらしいので、コンスタントに細く長く売れていくタイプなんだと思う。

 別にM-1に優勝することが漫才師の全てでは無いだろうし、自分の居場所を見つけてほんとに頑張ってもらいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 7組目は、ミルクボーイ。

 今年一のダークホース。

 

 ボケはめちゃくちゃ体格が良い。

 

 

 ネタは、所謂王道なしゃべくり漫才。あれなんやったっけ?○○ちゃう?いや、ちゃうな。みたいな、掛け合い掛け合いでもたせるタイプの漫才。

 

 

 結果はご存じの通り、M-1史上最高得点を叩き出し、1位通過で決勝グランプリに進出した。アベレージは97点くらいだったと思う。審査員7人全員にハマるというのは大したものだ。

 1本目に関しては、誰の目から見ても明らかに一番会場が湧いていた。それも、中盤から後半にかけてずっと爆笑が続いてた。もの凄い斬新なネタというわけでもないのだが、それが逆に良かったりするのかも知れない。

 

 

 

 個人的に、コーンフレークやミロには人一倍思い入れがあったので、面白かった。

 あと、ツッコミの声のトーンと滑舌とスピードが絶妙で、非常に聞き取りやすいというのも全員にウケた要因だと思う。

 

 1本目も2本目も同じような形の漫才で勝負をしており、7分の6票を獲得して見事優勝。まさにダークホースだった。

 

 

 

 ただ、恐らくフリートークは苦手そうなので、たぶんあんまり売れないと思う。

 

 ネタ番組にはバッコバコ呼ばれるだろう。優勝おめでとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 8組目はオズワルド。 

 

 個人的には一番好きだったかも知れない。

 結成5年目の超若手。霜降り明星も結成5年で優勝しているので全然可能性はあったのだろうが、決勝ラウンド進出はならず。

 

 

 ネタは、「先輩に気遣うのが苦手なんだけどどうしよう」という、悩み相談系のネタ。

 ツッコミは、張り上げ怒鳴りタイプでは無く、シュールにボソッと突っ込む系。だが、そのワードセンスと絶妙な間がクセになった。

 あと、例によって声が良い。

 

 

 

 爆発力に関しては皆無だが、暇な時や寝る前に動画で漫才を見る時なんかには最適かもしれない。

 ああいう、センスの良さで笑いが取れるタイプはポテンシャルが高いと思うし、漫才以外にも期待できる。

 

 

 まだ5年目なので、これから。今後に期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 9組目は、インディアンス。

 先日のTHE MANZAIや去年か一昨年の敗者復活などで何回か見たことがあったこのコンビは、とにかくボケがボケまくる。

 流れ星とか、ますだおかだアンタッチャブルに似ているタイプのコンビだ。

 

 

 ボケは確かに芸達者で、人柄も良さそう。ツッコミの腕もそこそこだったと思うが、いまいちウケなかった印象。M-1を見に来ているような客はああいう漫才好きそうなんだけど、振るわなかった。

 

 本人達も、納得がいかないというか、点数の低さに衝撃をウケているような印象があった。唖然、と言った感じ。

 

 

 

 確かに、ボケが要所要所で何を言っているか分からないところもあったし、テンションの割に内容が伴っていないような感じもあった。

 キャラに頼りすぎるとああなるのかもしれない。

 

 ただ、ボケのポテンシャルは相当高いと思う。今後に期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラスト10組目はぺこぱ。

 M-1が終わってから知ったのだが、今年のおもしろ荘で優勝していたらしい。その時はローラースケートで登場していたようだが、今回は打って変わって、ビジュアル系バンドのベースのような出で立ちで登場。

 

 

 

 1本目のネタは、タクシーネタ。王道だが、画期的なツッコミが話題となった。

 

 

 松本人志は、このツッコミに「ノリ突っ込まないボケ」と名を冠した。余談だが、こうやってすぐに印象的でピンとくる名称を付けられる松本は大したもんだ。

 

 

 

 ツッコミだが、ツッコンでない。といった感じ。ツッコミで笑いを取るタイプなのだが、ボケなのかツッコミなのか分からないツッコミだ。

 

 ノリツッコミ風なんだけど、突っ込まず、結果的にボケている感じ。そして誰も傷付けない優しい漫才だ。超ポジティブなツッコミがボケを叩いたりすることは一度も無い。

 

 

 「間違いはふるさとと同じだ。誰にでもある」という言葉は、普通に面白かった。

 

 

 

 見事和牛を下し決勝ラウンドに進出。票こそ入らなかったものの、爪痕を間違いなく残してみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上、10組。

 個人的に順位を付けるなら、

 

 

 

 

オズワルド

かまいたち

ぺこぱ

ミルクボーイ

すゑひろがりず

和牛

からし蓮根

インディアンス

見取り図 

ニューヨーク

 

 

 といったところ。オズワルドに対する謎の高評価は自分でも分からないが、期待も込めてこの順番だ。

 かまいたちとぺこぱは甲乙付けがたい。

 

 

 

 ただ、ここでの俺の順位は、ネタを見た上での「優勝予想順位」ではなく「面白さや期待も込めた順位」だ。別にオズワルドが優勝に相応しかったというわけでもないし、ミルクボーイの優勝が不服というわけでもない。

 

 M-1にはM-1用のネタがあるし、やっぱり優勝できる漫才とそうでない漫才もあると思うし、その日の空気や審査員の好みも当然あるだろう。

 

 

 

 本人達は当然優勝する気で来ていると思うが、M-1は優勝すればいいというものでもないと思う。むしろ、視聴者側としては誰が優勝したかよりも、誰の漫才をもう一度みたいかの方が重要だし、長い目で見ればそういう芸人こそ生き延びる芸人だと思う。

 

 オードリーや千鳥など、M-1で優勝できなくても活躍しているコンビはいっぱいいるし、逆に優勝してもあんまりテレビに出られていないコンビもいる。

 

 

 

 

 

 我々が見ているのは優勝なんかじゃない。残された爪痕なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 最後に、審査員への評価を。

 

 

 オール巨人。貴重な大御所枠でありながら、老害感はなく、的を射た指摘が多い。また、現代の漫才もしっかり研究し本番に挑むという漫才愛を見せてくれる。残留してほしい。

 

 

 ナイツ塙。優勝経験がない若手枠。しかし、説得力のある指摘にはぐうの音も出ない。浪花漫才の希望の星感があって、物腰も柔らかで落ち着きがある。残留希望。

 

 

 立川志らく。談志の名を借りた七光り。今年は大人しかったが、去年は酷かった。独特な視点で見てる感はあるが、実際は何を言っているか分からない。もういらん

 

 

 サンドウィッチマン富澤。サンドウィッチマンは好きだし、格としてもM-1の審査員には相応しいと思うが、人柄があんまり審査員には向いてない印象。いなくてもいい感は否めない。

 

 

 中川家礼二。初代チャンピオンとして君臨。毒にも薬にもならない評価という印象。いてもいなくてもいい。

 

 

 ダウンタウン松本人志。若干の老害化や劣化は否めないが、なんだかんだ妥当な評価をしてくれる印象。今大会では松本の付けた点数順がそのまま最終順位だったそう。賛否両論あるだろうが、そもそもM-1の格を保つためには必要不可欠。こいつがいなくなったらM-1なくなると思う。

 

 

 上沼恵美子。審査員長。毎回放送事故をやらかしてくれる。腕はあるんだろうし、評価もある程度妥当なんだとは思うが、不快に思う人は多そう。CDの宣伝は正直頭おかしいと思う。批判を受けても文句は言えないだろうし、別にいらない。紳助が来い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 てか、M-1の後の千鳥の番組がめっちゃ面白かったわ。